メラニー・クライン、ウィルフレッド・ビオン、そしてドナルド・メルツァーへと連なる現代クライン派精神分析は、精緻な理論考察と着実な臨床報告によって、今日の精神分析的精神療法の礎を築いてきた。その延長線上にある本書では、重要文献の精読、タヴィストック・クリニックでの研修、そして日々の臨床経験を総合して、現代クライン派精神分析の臨床的発展をめぐる基礎考察が展開される。