皮膚腫瘍は,組織学的にも多彩であると同時に腫瘍概念も多彩で,WHO分類でもさまざまな問題点を内包している.そこで本書は,その矛盾点を整理し訂正した形で組織分類を提示し,アトラスとして明快に解説した.2分冊の1冊目となる『皮膚腫瘍Ⅰ』では,角化細胞性腫瘍,付属器系腫瘍と皮膚特有の間葉系腫瘍を取り上げる.皮膚科医と病理医にとって皮膚腫瘍に関するひとつの「共通語」を提供し,相互理解を促進するとともに,研修医にも役立つ病理学的ガイドラインとした.