
バウムテストの読み方 象徴から記号へ
長年、バウムテストを使用し、研究してきた著者による手引書。バウムテストというと、一見「木を描いてもらってそれを解釈するだけ」という単純作業のようだが、「木を描いてもらう」にも「一本の木を描くのか」「複数の木を描くのか」「紙を横にするのか、縦にするのか」などさまざまな描き方がある。いままで、バウムテストの実施方法、サインの読み方には統一されたものがなく、検査者が独自に実施・判断していくしかなかったのだが、それを可能な限り統合し、著者のいままでの経験を含めて説いたものが本書である。肝心な「サインの読み方」についても、検査者の主観を入れず客観的に判断できるよう、随所に検査者の心得がちりばめられている。さらに、サインを読んだ後、どのように心理査定の報告書を作成するか、またバウムテストを用いたカウンセリング(アートセラピー)にどのように利用できるかについても考察している。巻末には、いままでのバウムテストのサイン対照表を掲載。本書を精読することで、さまざまな角度からバウムテストの理解を深めることができるだろう。
- 著者:阿部惠一郎/著
- 発売:2013年08月
- 出版社:金剛出版
- 価格(税込):3,520円
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