精神疾患診断のエッセンス DSM-5の上手な使い方

DSM-5に定義された診断基準は臨床において非常に役立つものであるが、バイブルのように使うのではなく、患者の役に立つように柔軟に活用していくことが必要になる。本書は、各精神疾患のスクリーニングのための質問例と診断典型例の簡潔な記述から始まる。各疾患の本質を捉えやすくするために診断典型例を挙げ、より記憶に留められるような工夫がなされている。典型症例の記述に続いて、筆者が長年にわたり行ってきた診療、若手医師への指導内容、そしてDSM-III、DSM-III-R、DSM-IVの作成にかかわってきた経験を踏まえ、包括的な鑑別診断を示し、除外すべき状態や「各診断のコツ」も明示している。また各精神疾患に対応するISD-9-CM分類コードも示している。過剰診断を減らすための注意と、流行の診断による影響・その対策、DSM-5を読み解く上での注意点も書かれているので、是非診断基準と合わせサブテキストとして活用していただきたい。






(版元品切れの際は、入手できませんのでご了承くださいませ。)